バーってなんなのだろう?part2(e-Stat編)
国の緊急事態宣言、そして都の休業要請期間が5月末まで延長となりました。
国分寺南口で営業していますRestaurant&Cocktail BAR atResta(アトレスタ)ならびに肉食系ダイニングバーatResta/dineR(アトレスタダイナー)では、社会全体としてコロナ収束に協力する事が第一だと考え、原則これらの要請を遵守していく予定です。
ギリギリまで手段・方法論を検討していきますが、詳細についてはまた明日告知致します。
さて、昨夜は都への休業協力金申請のエピソードを通じて「行政からみたバーってなんなのだろう?」という投稿をしました。
今日は国へ申請した「持続化給付金」の手続きを通じて出てきた「日本標準産業分類」について少し深堀りして考察してみたいと思います。
ひとつお伝えしておきたいのは、これらの投稿は行政に対する不満が主題ではありません。
こういった事を通じて、あらためてBARやダイニングバーの在り方や考え方を運営サイドとして見つめるいい機会だなと考えています。
日本の公的統計における産業分類は「日本標準産業分類」というものが使われます。
法律で定められた分類法です。
私はアトレスタ開業以前の事業計画は、この日本標準産業分類をつかった政府統計(e-Stat)を一部活用して書いています。
大枠ではありますが客観的なデータの一つとして根拠(エビデンス)立てた事業計画ができるので経営される方・事業立案や進行をされる方で見た事ない方がいれば自分の市場について是非見てみるとよいかと思います。
※データの羅列なのですんごい見ずらいのでご注意をw
そして残念ながらリアルタイムデータではないのでこれまたご注意を。
では、バーの分類はどうなっているのでしょうか。
日本産業分類に基づけば、酒場・ビヤホール・バー・スナック・キャバレー・居酒屋、いずれも大分類は「宿泊業、飲食サービス業」、中分類は「飲食店」となります。
ではその内訳となる「小分類」はどうなっているのでしょうか。
日本標準産業分類より「酒場、ビヤホール」と「バー、キャバレー、ナイトクラブ」の違い
ご覧の通り、居酒屋・おでん屋・もつ焼き屋・ダイニングバーは「酒場、ビヤホール」という分類となります。
それに対しバーは「バー、キャバレー、ナイトクラブ」という分類コードにまとめられます。
ではこの違いは何なのでしょうか。
上記画像の「項目の説明」を見て頂いた時に違いはこうなります。
小分類(業態例) | 項目の説明の一部(比較部分) |
---|---|
酒場、ビヤホール (居酒屋・ダイニングバーなど) | 主として酒類及び料理をその場所で飲食させる |
バー、キャバレー、ナイトクラブ (バー、スナックなど) | 主として洋酒や料理などを提供 |
まず、急に「洋酒」が限定されます。「主に」という但し書きがありますが。
まぁたしかにそうなんですけどw
これを踏まえるならば行政分類から見たら「焼酎バー」や「日本酒バー」はバーでは無いって事なのか!?
まぁ、この辺はちっちゃいツッコミなのでいいでしょう。
問題は「酒場、ビヤホール」には無くて「バー、キャバレー、ナイトクラブ」の項目説明の締めくくりに出てくるこの文言です。
客に遊興飲食させる事業所を言う。 |
みなさんは「遊興」という言葉、ご存知でしたか?
ちなみに遊興は「ゆうきょう」と読みます。
「遊興」という単語を調べてみると、こう出てきます。
① 遊び興じること。面白く遊ぶこと。 ② 遊里、茶屋、料理店などで遊ぶこと。 (by 広辞苑)
これ、すごく違和感があるのは私だけでしょうかw
ダーツバーがダーツで遊興させてるというのはわかります。
キャバが女性キャストとのお話で遊興させてるというのもわかります。
ダーツにせよキャストにせよ、そこは主たる商品ですもの。そりゃ異論ないです。
そうではない所謂一般的な「バー」と呼ばれる店って、そうゆう遊びはさせてはいない・・・ですよね・・・??
少なくともここで定義されるような「遊興」の類は当店にはありません。
※あ。店にモノポリー(チートエディション)がありますが、あれは営業後にスタッフとやっているって事で、営業に使ってはおりませんよ!w
むかーし、とある居酒屋さんでテキーラゲーム散々やらされた(やらされたというより自ら進んで身を投じてた節もありますが)のですが、それの方が遊興飲食なのでは!?
いや、居酒屋さんをこきおろすつもりではありませんよ。
バーがそこの分類っていう所にすごくハテナがあるという話です。
多分ですね、由来はきっと遊興の意味の②なんでしょう。
昔の政治家さんて、遊里・茶屋・料理店などを使うのと同じように(どういう意味かはさておき)オーセンティックなバーを利用し、重用したのでしょう。
(あくまで雑な推論ですよ、あくまで)
いずれにせよ、皆さんのバーに対するイメージはどうでしょう?
多くの人がBAR=遊里、BAR=茶屋・・・とはならないかと思います。
今となっては(昔と比べるなら)BARのイメージも意味ももっと変わってきてるのではないか、と。
行政が定義し、把握している内容と実態には差異があると思うんです。
致し方ない部分はあるとは思いますし、普段は特段問題はおきない。
でも非常時となるとこれが困ってくる。
今回も都には「バー」という言葉の逆算で「遊興施設」を選択しました。
国の申請には実態の意味から「酒場」を選択しました。
いずれも専門家に相談した上です。
都への申請を「遊興施設」としてしまったもんだから「全面休業」の対象となって、時短営業する訳にもいかなくなってしまった・・・。
BARと名乗っているのだから、と思って正々堂々した選択の結果ですw
まっとうに真面目に商売している人たちがバカを見るような事がないのを願うばかりですね・・・。
ちなみに「酒場」の定義はなんだろうかとこれもまた調べてみました。
酒場(さかば)とは、主にアルコール飲料を提供する飲食店の総称で、一般に「接待」を伴わない飲酒店のこと。日常的な表現では飲み屋ともいう。中世においては様々な立場、職業の人間が集まり、互いに情報を提供し、交流を深める社交場としての役割も果たしていた。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
出典: デジタル大辞泉
とまぁこんな感じです。
酒場とは居酒屋やバーの類て書いてありますやん・・・
ちなみに「日本標準分類」の中には「酒場」の定義らしいものが見ありませんでした。
ウィキでは「中世においては」なんて言葉が入っていますが、バーをはじめとして居酒屋さんも含めた「酒場」においては現代においても「様々な立場、職業の人間が集まり、互いに情報を提供し、交流を深める社交場としての役割」の一端は果たしていますよね。
むしろ逆にそういう意味において、「お酒」や「食事」を楽しむって行為はすべて遊興の要素があるのではないか!?
というかそうあるべきで「店」としてはいかに来てくれた方に楽しんで頂くか、なのではないか!?
なんて当たり前の事に一巡りして、想いを馳せつつ。
(はい、大方の予想通りとりとめの無い話となりました)
こんな話題を出しといてなんなんですが、BARって文化のひとつだと思うんです。
文化は時代と共に変化する。そうなると画一的な定義は難しいですね。
特に行政上の分類や縦訳となるとなおさら現場の方はよくわからなくても致し方ないでしょう。
文化の担い手という観点でいうならば、我々がどういうものを提供したいのかという話に帰結する事になりそうです。
それが法的な区分でどこに当たるのかは、今の区分に当てはめて立ち振る舞い生きていくしかありません。
私自身がどんなお店、どんなBARにしたいかという話はABOUTやグローバルメニューに「Restaurant&Cocktail BAR atResta(アトレスタ)とは」とうページを設けて、お恥ずかしながらコンセプトやオーナーの想いとしてシタタメさせてもらいましたので、お暇なときにでも。
何にせよ、アトレスタもアトレスタダイナーも行政的な定義や世俗的な定義に囚われずにアトレスタが表現したい「バー」や「ダイニングバー」を、新たな意味や価値を創造していけたらなと思っています。(もちろんコンプライアンス徹底の上でw)
そして、皆さんの人生にアクセントとなるような楽しみを提供できるような価値あるお店作りをスタッフと共々に頑張ります。
(とりとめが無くなったから無理やりまとめたとはバレてないハズ、うん)
さて、明日は昼に店にいってデスクワークするというリズムに一旦戻そうと思っています。
「明日」と言いながら、色々やりながら書いてたら早朝4時になってしまったので今日なんですがね。
雇用調整助成金の申請を進める予定です。
スタッフの生活を第一に護らないと。
どこかで見かけたら声かけてください!
ではでは。